トイレは人々の健康を守る重要なライフラインのひとつです。阪神・淡路大震災、新潟県中越沖地震や東日本大震災などの大規模災害時にはトイレが使えず、被災地では水・食糧・避難場所と並びトイレ問題が深刻な状況となりました。トイレが不衛生で不快な場合や距離が遠い・暗い・怖いなど使い勝手が悪い場合には、トイレに行く回数を減らすために水分や食事を控えてしまいがちになります。その結果、脱水症状になるほか、慢性疾患が悪化して体調を崩し、エコノミークラス症候群や脳梗塞、心筋梗塞で命を落とすこともあります。
こういった健康被害を防止するためにも、トイレを確保することが極めて重要になります。断水時でも利用可能な携帯トイレ等を備蓄しておくとともに、水洗トイレ「浄化槽」の使用の可否について、各家庭で確認し判断していただく必要があります。
大規模災害時には大きな混乱が予想され、市や維持管理業者、法定検査機関が、直ちに全ての浄化槽の被害状況の確認を行えないことが想定されます。
この手引きは、国のマニュアルを基に作成し、(1)災害発生後の確認事項、(2)平常時に確認しておくべきこと、(3)暫定使用上の注意事項、を説明しています。「災害時における浄化槽状況確認チェックシート」は、被災時の大変な状況下でも浄化槽使用可否の確認が簡単にできるように最重要5項目を確認していただくチェックシートになっています。
最重要5項目において異常がなかった場合も、被災した浄化槽の暫定的な使用期間は最長3ヶ月を目途としています。その間のなるべく早い段階において平常使用が可能となるよう、順次確認をおこないますので、ご協力お願い致します。
確認する際は、衛生対策や漏電防止のため、必ずゴム手袋を付けて作業してください。
危険を伴う場合や確認できなかったり、チェックシートに該当することがあった場合は、直ちに弊社へご連絡してください。
平時から大規模災害に備えて、災害時のトイレ確保を考えておかなければなりません。避難所等にて備えてある災害用トイレ「携帯トイレ、簡易トイレ、マンホールトイレ」の使用・保管・廃棄方法を示しています。
・下水道の使用が出来ない場合は、携帯トイレ、簡易トイレ等で対応してください。また、簡易トイレにマンホールトイレ用のハウスを使用することで、トイレの確保につながります。
・水が確保できない場合は、トイレットペーパーは流さずに袋等に貯めて別途処理する。
・浄化槽、下水道が使用でき、既存水洗トイレが使用できる場合でも、マンホールトイレが設置可能な場合は、健常者や車椅子、高齢者、乳幼児用と分けるため設置することをお勧めします。